ものすごく不思議な夢を見た

更新をほったらかして書くほどのものかと聞かれると、そうでもない
実際に見た夢をもとにしたSSです。思いついちゃったので書かずにはいられなかったのです
シリアスなので気持ち悪い。閲覧は自己責任で、略して閲自責
※不適切っぽい描写は反転。書いてるときは気にならないけど後から読み返すとオエーなるんだ……私が
何かを探している夢だった。
何を探しているのかはわからないけれど、建物の中をぐるりぐるりとめぐっていた。
不思議な建物、外見はとてもピカピカで新築のようなビル。
それなのに中はまるで廃屋のようにボロボロで、部屋は骸骨に囲まれていたり、壁に乾いた血が飛び散っていたりしていた。
普段の私なら恐怖で泣き出してしまいそうな光景だったのに、怯えながらも中を探し回っていた。

(必ず見つけ出さなきゃ)

そう頭の中で呟きながら私は狭い穴をくぐり抜けた。
しかし結局それを見つけ出すことは叶わなかったようだった。
中の様子とは不似合いなちゃんと動く自動ドアから、私は昼の太陽が輝く外へと出た。
中が暗かったせいかものすごく眩しかった。

その周りには何人もの人間がいた。
皆見ているのは私の方ではなく、建物の方。
口々に、本当に死ぬの?とか、入ってみようよ!とはしゃぐ子供達などを見るに、私が入っていたのはどうやら心霊スポットだとかそういう類のものだったのだろうか。

「ねえ、中はどんな風になっていたの?子供が入りたいってきかなくてさあ」

唐突に私に話しかけてきた子供連れの父親。
きかなくてと困った風には見せながらも、自身の好奇心も抑えきれてはいない感じがあった。
私が返した答えは

「やめてください」

その一言は思いの外大きい声で出てしまったようで、ざわついていた見物人たちが一斉に私の方を見た。
それでも構わないというように私は続けた。

「中で本当に、私の友達が死んでいるんです。入らないで、やめてください」

最後の方は涙ぐみながら言っていたのを覚えている。
どうやら中で友人が死んだらしい。
探しているものは友人の遺物か何かなのだろうか。
私の警告に、危険を察した様子で引き返す者、「しらけた」と舌打ちをしながら帰って行くものなど様々いる中、別の親子連れが私の隣に立った。
私と同じようにビルを睨みつけていた。
そして唐突に私の方へ向き直り、肩を掴んでこう言った。

「ヒントは壁に描かれた文字にある」

私は初めてその人の顔の方を向いた。父親と子、子供の方は痩せこけていて髪もボサボサ、服もボロボロ、性別がわからないほどにひどい姿をしていた。
対する父親は、鼻からちょび髭を生やしている。立派な身なりとは言えないがキッチリとしたYシャツにスーツのズボンを履いていた。
しかし私はその親と子の異常な光景を見ても何も感じなかった。

「壁に描かれた文字……」

あまつさえその男の言葉について聞き出そうとする。

「人によっては意味が無いように見える、証拠が欲しければ、そんな落書きを探すんだ」

それだけ言って、男は子供と一緒に去っていった。
おそらくこの言葉から考えるに、この建物は人為的に作られたもので、私は何らかの理由でそのことを知

私は訳も分からずほんのちょっとの間呆然と立ち尽くしていたが、すぐに何かに気付いたように走り出した。
なにやら門のようなものをくぐり抜けてたどり着いた先は、墓地だった。
先程のマンションと同じで、おどろおどろしい雰囲気は全くない。
沢山の墓石は昼の太陽を受けて柔らかく輝いている。

私はその墓石たちのうちのひとつに、[I will ○○○○○.(※1)]と書かれた墓石を見つけ、それに触れた。
すると、隣の何も書かれていない墓石が動き出し、地下への階段が現れる。
その珍妙な光景に私は不思議がることもなく、探し物を求めて地下へと降りた。

階段は思ったより長さはなく、ものの5秒ほどで地下についた。
地上からの光が届いて、嫌でも天井に逆さ釣りになった死体たちが見えてしまう。
部屋の中央には9枚の石版のようなものがあった。
それを見つめ、私は考え込んだ。パズルのようなものらしい。

そのとき突然、太陽の光がぐわんと中を照らし出した。
以前の逆光で出口が見えなくなり、壁には自分と動く死体の影が。
私は、ひっと小さく声を上げて上を見た。
死体そのものは動いていない。それなのに壁に映る影は手を動かし、助けを求めているような動きを見せる。
いや、「ように」ではなく求めていた。

助けてくれ、助けてくれ、誰か助けて、と何度も何度も低く枯れた声が部屋の中にこだまする。
そしてさらに耳を直接舐めるようなずずずという意味不明な不快な音、肉を切断する音、血が壁に付着する音などが合わさって波のように私に襲いかかってきた。

あまりの恐ろしさに私は泣き出しながらその部屋から逃げ出した。
逆光で見えなくなった階段に躓きながら、必死に逃げ続けた。
どういうわけかは知らないが、明らかに行きのときに比べて階段が長くなっていて、おまけに後ろから声はついてくる。
走るうちにやがて聞こえなくなっていき、そして逆光がより一層眩しくなった。
足元に草の音が混ざって、ああ外に出れた、という感覚が私をほんの一瞬安心させた。
すぐに気付いた。私は墓地にいたはず、草むらなんて無かったはず、ここはどこなのだろうと。
辺りをに広がっている草原を見ると、緑であるべきものは辺り一面殆どが赤に染まっており、まだ新しいものと思われる人間の死体がそこら中にごろごろと転がっていた。

胴体から下がないもの、首から上がないもの、臓物が出ているもの

それらの死体のどれもこれもに見覚えがある。
先程のビルの周りに集まっていた見物人たちだ。
しかし唯一、あの最後に話しかけてきた親子たちはいない。

私はとてつもない危機感を感じて門から走って抜け出す。
門から出て、その光景を目の当たりにして私は感じた。

(嵌められた)

墓場の周りには奇怪な怪物(※2)が、数える気にもならないほどの数で闊歩していた。
どこかで見たような感覚があった。(おそらくその友人を喰い殺したりなんなりしたのだろう。)
今は死体を貪るのに夢中でこちらに気付いていないようだが、気付けば私も食われるだろう。




考えるより先に体が動いた。
さきほど走って疲労していたことなど忘れたかのように全力で走り出す。
しかしその走り出す音で、周りにいた怪物共は一斉に彼女の方へ向いた。

(気付かれた)

考えても振り向かない。
死にたくない、死にたくない、とにかくその一心で走り続ける。
誰か、誰か、助けを求めて誰もいない草原を走り続ける。
走り続けて、走り続けて、右足が掴まれた。
彼女は前のめりになり、強烈に地面に叩きつけられた。

「いやあ!いやあああああああああああ!」

断末魔にも似た叫びを上げながらじたばたと暴れるも、彼女の右足を掴んだ手が離れることはなく、砂糖に群がる蟻のように彼女に集まる怪物達。

「誰か……!誰か、たすけ……あぐ……!」

抵抗しもがき苦しむも噛み付かれ、四肢を食われ、鋭利な爪は臓へと至る。
痛みと絶望の涙がとめどなく溢れるも、声はやがて枯れた。
暗くなりゆく視界で最後に求める助け。

(誰か助けて)




「!」

目が覚めた。
夢、だったみたいだ。
心臓がばくばくと動いてて、目に軽く涙がたまっていた。
まさかとは思ったけど漏らしてはいなかった。
いやいや、こんな年にもなって怖い夢見て漏らすなんてシャレにならないよね。

そんな馬鹿なことを考えていると少し落ち着いてきた。
冷静にしていると、寝汗がびっしょりで気持ち悪いことに気が付かされる。
ベッドから出て鏡に向かってみると、寝癖も見事についている。
こんな格好、兄さんには見せられない。

「お風呂入ろ……」

とその時、扉がゆっくりと開いた。

「ひいっ!?」

先程の夢のこともあって驚きながらそちらの方を見る。
ゆっくりとぴょんとはねた毛が扉の隙間から覗き、やがて切れ長の目の悪人面の一部が出てきた。

「……妹の部屋覗いて楽しいですか、兄さん」

私は多少怒りながらその人に言った。全く驚かせないでほしい。
兄さんが扉を開けて中に入ってくる。入っていいなんて言ってないんだけど、兄さんだから別にいいや。

「誰が覗きだ。さっき部屋を見たら寝ていたから起こさないようにしただけだ」

そういうことだったの。
この人は本当に気遣いだけは一流だよね。
無意識でやってるのが逆に質が悪いけど。

「それよりもすごい寝癖だなあお前。寝癖コンテストでも出てみたらどうだ、優勝間違いなしだ」

前言撤回。気にしてることをズケズケと笑いながら言うなんて。今度から兄さんでも無断で部屋に入れるのはやめよう。
大体寝癖コンテストってなに?

「寝癖コンテストは優勝賞金10万円で【スーパー寝癖太郎】という称号を貰えるんだ」
「いや、聞いてないです」
「あっそう」

心の中を読むのはやめてほしい。
それとも私が無意識の内に疑問そうな顔になっていたのかな。
無表情の練習でもしてみようかな。

それにしてもどうしてだろう、あんな夢すぐ忘れてしまえばいいのに、気になって仕方がない。
怖くて仕方がない。
だからこんなくだらない会話でも、泣き出したくなってしまう。

「何泣いてるんだお前」

時すでに遅し、我慢するつもりが泣いちゃってたみたいだ。
逃げるように浴室に向かおうとすると、兄さんに進路を塞がれた。
無言で左に避けると、兄さんも左に横歩き。

「大丈夫です」
「寝癖のこと気にしてるんなら謝るって。すまなかった」

頭を下げる兄さんに思わず吹き出してしまった。全然違うのに。

「ちょっと怖い夢見ただけです」
「どんな?」
「下らないですよ」
「興味がある」
「けど面白い話じゃ」
「興味がある」

兄さんはいつもこう。
自分の興味のあることはなにがなんでも聞き出そうとする。
相手を傷付けそうな時以外は。

「……ありがとうございます」
「別にお前のためじゃない。俺が聞きたいんでな」

私は兄さんと共にベッドの上に座って、さっき見た夢の話をした。

「……なるほど、骸骨が怖かったのか」

真顔で見当はずれなことを言う兄さん。
この人、頭はいいのに突然ボケたりするから困る。

「多分、最後が怖かったんだと思います」
「ああ……食われるのは誰だって嫌だよな。痛いし」
「そういうことではなくて」
「……ふむ」

完全に聞く態勢に入る兄さん。
どうやらこれ以上はもう思いつかないみたい。

「一人で死ぬのが、あんなに怖いと思わなかったんです」

夢の最後を思い返しながら、話す。

「誰か、って叫んでも誰もいないんです。それが怖くて怖くて仕方なかったんです」

自然と涙が溢れてくる。止めようがない。
それほどまでに怖かった。思い出すだけで体が冷えるようだった。

「そりゃあ怖かっただろうな」

兄さんはそれだけ言うと、肩に手をかけて私の体をそちらへ引き寄せた。
頭に兄さんの手が置かれ、それがそっと撫でる動作に変わる。
それしかしなかった。
けれどそれだけで十分だった。
冷えが止まり、夢が薄れていくような気がした。

「もう大丈夫だな」
「……はい」

兄さんは満足気な表情を浮かべると私の体からそっと離れ、ベッドから立った。
この人はいつもこう。
優しいだけで、それ以上のことはしない。お礼の言葉も聞かずに出ていってしまう。
自分がやりたかっただけだと決まり文句の嘘を告げて。

「なら、さっさと風呂に入ってこい。今のお前は寝癖でだらしない上に寝汗でベトベトじゃないか。そんな格好で食卓に並ばれたら食欲が失せるからな」

前言撤回。優しいのと同時に、最悪の性格も兼ね備えていた。
そのまま去ってくれれば最高にかっこよかったんだけどね。
そんなんだから職場で孤立しちゃうんだよ。

「言われなくても入ります。大体兄さんが聞きたいって言ったんじゃないですか」
「寝癖はともかくとして寝汗のことまでは考慮してなかったんだ。いやはや、思いの外怖がりなんだな。あとそんなに汗っかきだとは思わなかったんだ。すまんすまん」

兄さんはケタケタと笑う。人をバカにしないと死んじゃうんのかな。
ものすごくイライラしてきて、もうさっきの夢のことを完全に忘れかけている自分がいる。

「兄さんの分だけ夜ご飯作りませんよ」
「別に構わないね。自分で作れるしー」

指でCのマークを作って小馬鹿にした笑いをぶつけてくる。
腸が煮えくり返る、という言葉がピッタリ来る程度には怒りを覚えている。

「もう勝手にしてください!」

扉の前に立つ兄さんを弾き飛ばすように押しのけて、私は自室を出ていった。

「……やれやれ」
「上手くいったかな」




※1…何の英語だったか忘れてしまった。結構長い単語だった
※2…なんでか知らないけどFFCCとかPSOとかプレイしたことのあるRPGのモンスターが入り雑じってた。あとは見たこともないようなマジで気持ち悪いのがいたね。ちぎった人間の胴体を適当につなぎ合わせたような植物。具体的には足は人間、胴体部分が食虫植物みたいな感じになってて、その周りに臓器やら腕やら顔やらがごっちゃごちゃにくっついてた。あと、3mはあろうかというGも。多分これはパラ○イト・イヴのコックローチじゃねえかな……アイツはキモ強かった

あと、夢の途中から三人称視点になってるのは、そういう夢だったから
途中まで自分だったんだけど、途中から外側から見てる風になるアレよ
夢ならよくある。それにしても本当不思議ワールドすぎる
中々面白い夢だったのでもうちょっと詳しく書きたかったんだけど、他の更新もあるし

因みに襲われてたのは実際に妹さんだった。なんでや!白刃ちゃん関係ないやろ!
そこでSSが思いついてしまったというわけ。SSッ!書かずには(ry

あとがきとしては「久々にキーボードカタカタ出来て楽しかった」ってところ
あとで読み直して変なところあったら直そー
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