月刺虐者の日常3

緊急依頼で出向いたレリクスにおいて、謎の女性ニューマン、ネオン・ルミナリーを保護した月刺虐者
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ガーディアンズに追われる彼女を雇用契約という形で保護することになったが……

※オフ+SS=趣味更新です。バック推奨
虐者「ネオン・ルミナリー……16歳か、見えないな」
ネオン「す、すみません」
虐者(なんで謝った?)
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虐者「さて、本題にはいろうか」

虐者「知っての通り、お前はリトルウイングではなく俺と個人契約を結んでいるという形だ。なので基本的に俺が手伝えと言ったこと以外は特にやる必要はない」
ネオン「はあ」
虐者「お前が何かやりたい仕事があるのならリトルウイングから直接依頼をもらうのもいい。一応あの酒乱ジジイには話を通してある」
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ネオン(酒乱ジジイ?)
虐者「で、だ。今日は特に依頼はないわけだが」
ネオン「は、はい」
虐者「お前には出来るだけ早く現地の仕事も手伝ってもらいたい。ということで、今回はフリーで任務を請け負って実戦訓練といこうか」
ネオン「……早速ですか」
虐者「思い立ったが吉日だ。遅かれ早かれやらねばならんのだ」
ネオン「そうですね……頑張ります」
虐者「まあそう肩に力入れるな。たかが遊びだ、気楽にやりゃあいいのさ」
ネオン「そ、そうもいきませんよ。実戦経験のない私にとっては……」
虐者「まあ、いざとなったら逃げろ。命あっての物種だ」
ネオン「で、でも」
虐者「雇用主の言うことはしっかり聞かないとクビだぞ」
ネオン「はいい!!」

虐者「武器はこいつを使え。ちょいと今持ち合わせがない」
ネオン「す、すみません。何から何まで……」
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虐者「これから働いてもらうんだ、仕事道具を渡すのは雇用主として当然だろうが」
ネオン「はあ」
虐者「因みにここがどこだかわかるか?」
ネオン「……ニューデイズ以外の惑星についてはさっぱりです」
虐者(家にでも閉じ込められてたか。本当の名前を知れればどこの貴族から出てきたかわかるんだが……その当たりをつけるのはまだ先の話になりそうだな)

虐者「デネス・レリクス。スタティリアだけじゃなく、突然変異した原生生物もうろついてる。あまり一人で走っていくなよ」
ネオン「はい」
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ネオン(けど、そんな危ないところ……私みたいなの連れながらで月刺さんは大丈夫なのかな)

ネオン(もし月刺さんが倒れちゃったりしたら……)
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ネオン「って……あ……」

ネオン「すすす、すいません!!」
虐者「ん?」
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ネオン「ちょっと考え事してて……」

虐者「バカ、別にいきなり前線に出ろなんて無茶言うわけないだろが」
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虐者「取り敢えず今日のところは見るだけでもいい、雰囲気を理解してくれりゃあそれで御の字だ。まあちょいちょい援護でもしてくれりゃあボーナスだな」
ネオン「え……でも」

虐者「下手に前に出て大怪我でもされたら給料よりも薬代で金がぶっ飛ぶからな」
ネオン「後ろで見てるだけでいいんですか?」
虐者「今日のところは、だぞ」
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ネオン「じゃあ武器はなんのために?」
虐者「流石に俺だって千手観音じゃないんだ、お前を完全に守りながら戦うのは無理がある。いざというときのためだ」
ネオン「せ、せんじゅかんのん?」
虐者(……そりゃわからんわな。例えがよろしくなかった)

ネオン「わっ!」
虐者「!?」
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虐者「気付かなかった……突っ込んできてたのか」
ネオン「ど……どうすればいいですか!月刺さん!」
虐者(……)
虐者「予定変更だネオン!自分の身は、自分で!」
ネオン「ええっ!?そ、そんな……!」
虐者「大丈夫だいざとなったら逃げていいからやってみろ!どーせいつかはやらにゃーならんのだ!」
ネオン「うう……!」
虐者(敵の気配を察知する早さ、咄嗟の動き……鉄は熱いうちに、だ!)

ネオン(ど、どうすればいいのか全然わからない!とりあえず振り回さなきゃ!)
ネオン「こうですか!?」
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虐者「そうだ適当に振り回しとけ!」

ネオン「こう!?」
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虐者「いいんじゃなーい!」

ネオン「こんな感じ!?」
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虐者「一々聞くな集中できんだろうがー!」
ネオン「だってわかんないんですよー!」

虐者「思ったよりずっといい動きだったな」
ネオン「はあ……あまりびっくりさせないでください……」
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虐者「しかしまあ、これで現地の仕事も大丈夫だな」
ネオン「ま、まだ一人じゃ無理ですよ」
虐者「今は無理でも、近い内にできるようになるだろ。いいもの持ってるしな」
ネオン「いえそんな、私なんてまだまだですよ……」
虐者(まんざらでもなさそうな面しやがって)
虐者「よし、今日のところは一旦帰るぞ」
ネオン「はい!」





虐者(……)
ネオン「……あのー、月刺さん」
虐者「……」
ネオン「月刺さん……」
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虐者「お?」
ネオン「あ、あの」
虐者「すまん、ちょっと物思いに耽ってた。なんだ?」
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ネオン「何か、やることありませんか?」
虐者「ない。強いていえばもう時間が遅いので明日に備えて寝なさいってところだ」
ネオン「けどお金までもらってるのに、一日の内たった30分ぽっち外に出ただけの仕事なんて流石に申し訳なくて……」
虐者「……」

虐者「なら、そうだな……精神的にキツい仕事になりそうだが、頼まれてくれるか?
ネオン「で、出来ることならなんでも」
虐者「なら……話してくれないか。お前は何から逃げているのか」
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ネオン「!」
虐者「興味本位ってのもあるが、ガーディアンズに捜索願を出した大元、そっちの方も警戒しておきたい。どの程度危険な状況に置かれているのかっていうのも知っておきたいんでな」
ネオン「……」
虐者「嫌なら無理に話さなくてもいい」
ネオン「けど、雇用主の命令は絶対ですよね……」
虐者「これは月刺虐者の個人的な興味本位の質問ということにしておいてやる。答えるか答えないかはお前の好きにしろ」
ネオン「……」



ネオン「……私、元はニューマンじゃなかったんです」
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虐者「なに?」
ネオン「私の本名、ミルドレッド・レアハートっていうんです。種族はヒューマンでした」

虐者「聞いたことないな。没落貴族か何かか?」
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ネオン「いえ……私の家は、母と私だけの二人家族でした。父は幼い頃に他界して……母はニューデイズではちょっと名の知れた研究所に勤めていたので、貧乏っていう訳ではなかったんですけどね」
虐者「ふむ」
ネオン「生体系の研究が主体の研究所だったんですが、教団が人工融合生物アルテラツゴウグの召喚に成功してからは、状況は一変しました。生態系の技術進歩はほぼ見られなくなって……」

虐者「同業の研究所は軒並み閉鎖していったわけだ」
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ネオン「はい。勿論それは、私の母が勤務していた研究所も例外ではありませんでした。けど……」
虐者「何かあったのか」
ネオン「……研究所が閉鎖するより前に、一人の研究員が種族を変化させる薬品を作り出したんです」
虐者(おいおいなんだそりゃ……)

虐者「……話の道筋からして、その薬品の実験台にお前が選ばれたってところか」
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ネオン「……はい。母はこの実験が成功して研究所が持ち直すのならと、私を無理矢理実験台として研究所に差し出しました」
虐者「お前が最初の実験台か?」
ネオン「いいえ……私以前に何人もの方が実験台にされていました。私は唯一の成功例だったんです」
虐者「実験に失敗した他の奴らはどうなった」
ネオン「……」
虐者「……そうか」

ネオン「……実験が成功してからも、研究所で拘束されながら色々な実験を受けてました。その内薬の副作用のせいなのか度重なる実験のせいなのか、髪の色も、肌の色も、目の色も、声も、何もかもが変わっていって……気が付いたらもう、私は私じゃなかった」
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虐者「……」
ネオン「最初は、本名で捜索願を出されてるだろうからって咄嗟に偽名を使ったんです。けど今はそれより、もう自分の名前なんて忘れてしまいたいんです。ミルドレッドの記憶は、殆どが研究所での実験に耐えていた記憶しかありませんでしたから……」



虐者「お前はこの後どうしたいんだ」
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ネオン「……」
虐者「本当にヒューマンだった頃に未練はもうないのか?例えば元に戻る方法があったとしても、このままニューマンとして生きていくつもりなのか?」
ネオン「……お母さんも今はもう、私のことを子として見てくれていない。ずっと研究所に閉じ込められていたから、友達とかも居ないんです。今更未練なんてありません」
虐者「……」
ネオン「それこそ研究所を出たときは、このままグラールの色々な風景を見て力尽きたらそこでそのまま死のうと……元々そういうつもりだったんですから」
虐者(レリクスが丁度最後だったのか……)


虐者「ガーディアンズからもその研究所の連中からも守りはする。そういう契約だからな……その点は心配するな」
ネオン「……有難うございます」
虐者「俺は俺のやりたいことをしているだけだ、礼には及ばない。お前もそこまでの覚悟が決まってるんなら、今度は自分の道をしっかり自分で決めろよ」
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ネオン「?」
虐者「ネオン・ルミナリーとして生きるんだろ」
ネオン「……! はい!」
虐者「……改めて、これからよろしく頼むぞ。ネオン」
ネオン「……こちらこそ、不束者ですがよろしくお願いします!」
虐者「……」
ネオン「……」
虐者(それはなんか違うだろ)



【おまけ1】シリアスおまけ

ネオン「じゃあ、先に寝てますね」
虐者「おう」
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ネオン「……あの」
虐者「……」
ネオン「……おやすみなさい」
虐者「……」

虐者(似てる。よく似ている。何故こんな面倒事を自分から積極的に受けているのか、今になってわかった)
虐者(似ているんだ、俺とネオンは……話を聞いていると、まるで昔の俺を見ているような気分だった)
虐者(……辛かっただろうな)



【おまけ2】だからさあニューマンマジ

ネオン「……?」
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ネオン「なんですか?これ」
虐者「サボテン」
ネオン「いや、それは見れば分かるんですけど……変な形。椅子みたいですね。もしかして座れたりします?」
虐者「お前本当にそう思ってるなら頭の検査した方がいいぞ」
ネオン「な、なんですか!そうやってすぐ暴言吐くの止めてくださいよ!」

ネオン「……」チョン
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ネオン(あんまり痛くない……)
虐者(何考えてんだか知らんが嫌な予感しかしないぞ)

虐者「あ」
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虐者「ちょ」
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虐者「待……」
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ネオン「……っ~~!」

ネオン「アアアアアアアアアアアアーーー!!!」
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ネオン「……うぐ……うう……いだい……!」
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虐者(この馬鹿が居座ってる間はこの手のギミック物はしまっといた方がよさそうだな)
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