スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

ある研究員の手記

<< >>次

7/23
本日の成果はゼロ。
明日、サンプルを新たに一つ調達することにする。

7/27
成果あり。
身体能力の強化のためにモンスターの細胞を使うのは悪手のようだ。
しかし、先日届いたダーカーの模倣体サンプルではあまりに不安要素が多すぎる。
まず第一に知能の試験の最低基準すらクリアできていない。
単語を話す段階は基礎試験後のラインでいいとして、
こちらの命令すら理解できないのでは試験段階にも到達できていないと言って差し支えないだろう。
第二に、まだ身体能力の面で不安がある。
日常生活を送る分には問題ないだろうが、せめて通常のアークスと同様の戦闘程度はこなせるようになってもらわなければ、
このオラクルでは何かと生きづらいだろう。
試験項目および試験段階の基準ラインの変更はなし。
明日、別のクローンのサンプルを部下に調達させる。


8/1
クローンの捕獲に手間取っており、あと2日は別の被検体は届かないと連絡が入った。
まあ、もともとアークスなど無能な猿の集まりに過ぎない。
期待など最初からしていなかったが、予想を下回る無能さを見せつけてくれるあたりは流石と言ったところか。
被検体が届くまでの2日は、被検体そのものの調査を実施する。
もっとも、新たな発見など何もありはしないだろうが。


8/3
既知の事実ではあったが、クローンはあくまでダーカーがアークスを模倣したものに過ぎない。
言ってしまえばハリボテのようなもので、武器や見た目を真似することはできても、
アークスそのものの身体能力まで完全に再現することはできない。
では、クローンの戦闘能力は何に依存しているか、これはもちろんその模倣元のダーカーの戦闘能力である。
して、模倣元となっているダーカーの詳細はつかめていないが、一貫してどの模倣体も戦闘向きではない能力値を記録している。
つまり、このクローンをそのまま使って、新たに知能を持たせたり、
強力な戦闘能力を持たせた新しいクローンを生み出すことは不可能と考えられる。
能力値を記録したレポートは部下に報告させ、引き続き新生クローンの調査を行う。


8/7
進展なし。
強力な身体能力を持たせるには、やはりモンスターの細胞が必要だ。
しかし、7月下旬の研究の時点で、モンスターの細胞を使用することで、知能の低下が発生することは確認済み。
これは念話を使用できる龍族でも同様の結果が得られた。
現状の研究環境では、すべてのモンスターの細胞でテストを行うことができないため、
ある程度絞っておかなければならないが、それも時間がかかりすぎる。


8/21
逆に考えた。 身体をモンスターに、知能を人間に。


8/28
知能を持ったモンスターが誕生した。
こちらの命令は理解できるし、それどころか会話すら可能だ。
試験段階の想定ラインを完全にクリアしている。
知能に関しては、運用段階としてもよいだろう。
そして身体能力の面に関しても、知能による制御から多少の戦闘力ダウンは見られるとはいえ、
これはむしろ成功の副産物といってもいい。
残る課題は外見だ。
流石にこれをこのままアークスシップで連れ回すわけにはいかない……さて、どうしたものか。


9/2
一つ試験を行ったが、失敗。 成果はなし。
クローンとして活動している例のゴミども……あれの模倣特性を生かせば、人間に化けることができるのではないかと考えた。
しかし、模倣体の細胞のどの部分が担っているのか。
あるいは模倣体には存在せず、ダーカー体である間だけその細胞が存在するのか。
そもそもダーカー体にそのようなものがあったとして、ダーカー体であるうちの捕獲は可能か。
ダーカー体がまず存在するのか。もともと模倣体として生まれてくる可能性はないか。
現時点では情報が少なすぎる。
こちらの研究に集中しすぎた影響で、本業の方も少々たてこんできたらしく、部下が夜遅くまで残っていることが多くなってきた。
あんな資料など、どうせ誰も真面目に見はしないのだから適当に書き上げればいいのだ。
そもそも、ちゃんと見たところで理解できるはずがない。奴らは我々と違って専門家ではないのだから。
私の本業は本当はこちらなのだが、発表会でボロが出てお猿さんの機嫌を損ねると、
次に必要なサンプルを出し渋る可能性もある。
影武者に倒れられても困る、一つ手を貸してやるとしよう。


<< >>次
スポンサーサイト

COMMENT - 0

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。