スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

星と翼

レイ「あぢー」
ルーノ「だな」
レイ「……お前は暑くなさそうだけど」
ルーノ「暑いぞ」
レイ「少しは暑そうに喋れよ」

レイ「ねー、また背中乗っけてよー。歩くのだるいし、涼みたいし」
ルーノ「わかった、じゃあ掴まってくれ」
レイ「やったーサンキュー!そんじゃーグラサンのとこまで一直線にゴー!」

ミラ「……もう夏も終わったはずなのに、暑いな」
ルーノ「だな」
ミラ「お前はそんな格好で暑くないのか」
ルーノ「暑いとは思っている。そう見えないか」
ミラ「見えないよ、そんな格好でよく暑くないな」
ルーノ「いや、暑いんだよ」
ルーノ「……そういえば、クロスにもレイにも、暑そうに見えないといわれたな」
ミラ「平然としてるからな、とても暑そうには見えないだろ」
ルーノ「そうか……」
ミラ「気温はまあ下がってきたんだが、風が吹かなくてどうにもな……湿気もひどいし」

ミラ「……」
ルーノ「どうした」
ミラ「へ、いや……いいなあって思って」
ルーノ「……何がだ」
ミラ「あれ」
ルーノ「……鳥?」
ミラ「あんな風に飛べたらなあって」
ミラ「技術の発展で、人間は空を飛ぶ夢を叶えた。 でもそれは、鳥たちみたいに生身で飛ぶことはできなくて……」
ミラ「やっぱり、風を感じてみたいなって」
ルーノ「……」
ミラ「キャンプシップとか飛行機に乗って外を眺めていると、なんだか空しくならないか?」
ミラ「自分は空に居るだけで、空を飛んでいるわけじゃないんだって」
ミラ「その感覚に慣れてくると、だんだん空に居るという感覚、宙に浮いているという感覚すらなくなってくる」
ルーノ「俺はよくわからないな」
ミラ「まあ、まだそんなに慣れてくるほどそういう乗り物に乗ってないせいもあるんじゃないか?」
ルーノ「かもしれない」
ルーノ「どちらかというと俺は、生身で飛ぶ方が慣れているからな」
ミラ「……」
ミラ「なんだって?」
ルーノ「?」
ミラ「今、なんていった?何に慣れてるって?」
ルーノ「生身で飛ぶ方が慣れているって……」
ミラ「…………」
ミラ「は、はははは!お前、何を言ったのかと思ったら、はは……」
ミラ「……嘘だろ?」
ルーノ「そんなことないぞ」
ミラ「いや、私だってフォトンの力を使って一時的に滞空することはできる。アークスなら誰だってきっとそうだろ」
ミラ「だが、あんな風に自由にどこへでも行き来できるわけではないだろ」
ミラ「……そんなことないのか?」
ルーノ「ああ、さすがにアークスシップからナベリウスとか、宇宙を長距離移動するようなことはできないが」
ルーノ「空を飛ぶくらいなら簡単だ」
ミラ「……や、やってみろ。私は見るまでは信じないぞ」
ミラ「お前は確かに嘘をつかない、誠実なヤツだ……だが、いくらお前が人間ではないといっても、さすがにそんなマネができるわけは―――」
ルーノ「このくらいでいいか」
ミラ「……!?」
ルーノ「もっと高く飛ぶこともできるぞ」
ミラ「……だ、だまされないぞ」

ミラ「いいか、今からこの石を……思いきりあっちの空へ向かって投げる」
ミラ「それを空中で取ってみせろ。 無論、その浮いたままの状態から、一回も足を着かずに」
ルーノ「わかった」
ミラ「……行くぞ」
ルーノ「いつでも」
ミラ「……ッでえええええりゃあっ!!」
ミラ(右方向のカーブだ……フォトンでの滞空なら、このスピードの曲線運動を捉えるのは困難なはず!)
ルーノ「……」
ミラ「い゛っ……あ……!?」
ミラ(と、飛んだ……飛んでいった……本当に……)
ルーノ(あった)
ルーノ「……これでいいのか」
ミラ「…………」

ミラ「……いやはや、本当に驚いた」
ルーノ「飛ぶって言うのは、あんな感じでよかったのか?」
ミラ「ああ、あんな感じに飛べたらいいなって……お前は飛べるんだな」
ルーノ「普通に運動しているのと同じで、飛び続けると疲れはする。 だけど、走ったりするのと同じで、それほど意識せずにできるのも確かだ」
ミラ「へえ……」
ルーノ(最初に出会った時、俺が空中に浮いているのを見ていたはずだったが……どうやら覚えてないみたいだな)

ミラ「……」
ミラ「……っあの、さ」
ルーノ「?」
ミラ「その……すごい、変なことを聞くようですまないんだが……」
ミラ「……例えば重い荷物を持ったりしたら、飛べなくなるのか?」
ルーノ「重さによるな」
ミラ「……10kg」
ルーノ「問題ない」
ミラ「20kg」
ルーノ「大丈夫だ」
ミラ「30kg」
ルーノ「……人一人くらいの重さなら何とかなるぞ」
ミラ「本当か!!?」
ルーノ「うっあ!?ま、まあ……なんとかなる」
ミラ「あ、す、すまない……つい……」

ミラ「あの……もし、嫌じゃなければ……」
ミラ「私を背負って飛んでみてくれないか……?」
ルーノ「ああ、いいぞ」
ミラ「え……!?いや、そんな簡単に……いいのか?結構疲れるんじゃ……」
ルーノ「人を乗せるのになれていないわけじゃない。レイにもいつもクエストの帰りに乗せてくれと頼まれるしな」
ミラ「い、いつも!?」
ルーノ「クエストは疲れるから、帰りに歩くのが面倒になるそうだ」
ミラ「まるでタクシーだな……」
ルーノ「まあそういうわけで、乗せるのは別に構わないぞ」
ミラ「頼んでおきながらこんなこと聞くと怒られそうだけど、落ちたりとかしないよな?」
ルーノ「しっかり掴まっていれば大丈夫なはずだが、クロスとかは結構怖がってたからな。まあ危ないのは確かだ」
ミラ「ぬう……」
ミラ(……正直、目の前で見てもまだ半信半疑なところがある)
ミラ(信じられん……一体何がどうなって、どういう原理で浮いてるというんだ……)
ミラ(背中にブースターでもついてるのか……?)
ミラ(それともお腹に反重力エンジンが……!?)
ルーノ「どうした?」

ルーノ「それじゃあ、取り敢えずゆっくり上がっていく。手を離さないでくれ」
ミラ「おおおおっうぅ……わ、わかった。いつでもこい!」
ルーノ「……」
ミラ「うわ、うっわわわ……」
ルーノ「降りるか?」
ミラ「いや、まだ大丈夫……」
ミラ(し、信じられない……本当に浮いてる……!!)
ミラ「な、なあ。ちなみになんだが、どのくらいまで上に行けるんだ」
ルーノ「二人だと流石に宇宙には出れないな、すまない」
ミラ「一言でも出たいなんて言ったか!?」
ミラ「取り敢えず、空まで行くのはなんてことなさそうだな……無理そうになったら言うから、取り敢えず鳥が飛んでるくらいの高さまで上がってみてくれるか」
ルーノ「いきなりそんなに上がって大丈夫か?レイも最初は怖がったぞ」
ミラ「楽しみ半分怖さ半分ってところだから、降りてほしかったらすぐ言うよ……」
ルーノ「わかった」


ルーノ(大分高くまで来たが……)
ミラ「……!」
ルーノ「大丈夫か?」
ミラ「……」
ルーノ「……」
ミラ(すごい……)
ミラ(風が……肌の中に入ってくるみたいだ……上空の風はこんなに澄んでいるのか)
ミラ「……あ」
ミラ「ルーノ、あれ……追いかけられるか?」
ルーノ「あれ?」
ミラ「多分、渡り鳥か何かだ。びっくりさせない程度に、近くで見てみたいんだが……追いつけそうか?」
ルーノ「あのくらいなら簡単だ。任せてくれ」
ルーノ「ただ、追いつくとなると少しスピードを出す必要がある」
ミラ「大丈夫だ。 …………多分」
ルーノ「わかった、行くぞ」
ミラ「くっ……のわあああああ!!?」

ミラ(ううううううッ……!すごい風だ……涙が出てくる……)
ミラ(こうして乗っているだけなのに……体力を消耗する……!)
ミラ(コイツはこんなスピードで普段から動き回っているのか!?)
ルーノ(……結構速いな、何かから逃げているようにも見える)
ルーノ(素早く近づきすぎて驚かせてしまったのか? こんなに遠くでも感知されるとは……)
ルーノ(!)
ルーノ「ミラ!下がるぞしっかり掴まれ!!」
ミラ「あ!?え!?うあぐっ……!!」
ミラ(内臓が、浮くッ……!!)
ミラ「な、何があった……」
ルーノ「上だ」
ミラ「……?」
ミラ「なんだあれは……灰色の、鳥系のエネミー?」
ルーノ「どちらかといえばドラゴン系のようだが、あんなのものは見たことがない……機甲種のようだが、生物のようにも見える」
ミラ「渡り鳥を襲っているのか?」
ルーノ「わからない。だが、あれを放っておくと、このあたりを巡回している戦闘機が被害に遭うかもしれない」
ミラ「敵意があるかどうか、確かめてからの方がいいんじゃないか」
ルーノ「少なくとも、俺たちにはあった。 ミラは気付かなかったか」
ミラ「生憎と、掴まるのに必死でな」
ルーノ「すまない、もう少しスピードを抑えればよかったな」
ルーノ「ミラは一度降りて……」
ミラ「いや、もう慣れた」
ルーノ「……」
ミラ「……慣れたというのはうそかもしれないが、本心からまだ降りたくないと思っている」
ミラ「それに、どうせお前、アレを倒しに行くんだろう。一人でなど行かせないからな」
ルーノ「……ありがとう」
ミラ「私を乗せている方が疲れるというのなら降りるがな」
ルーノ「いや、正直な話……あれほどの巨大なエネミーを一人で倒すのは正直骨が折れる。それも空中戦だ」
ルーノ「攻撃の人手は多い方がいい」
ミラ「生身の人間は普通空中戦なんてやらないがな……まあいい」
ミラ「この両剣、借りるぞ」
ルーノ「ああ、頼む」



ルーノ「どうやら、空を飛ぶものならなんでも攻撃するらしいな」
ミラ「渡り鳥にも攻撃を……このままではッ……!ルーノ!」
ルーノ「わかっている、一気に近づくぞ」
スポンサーサイト

COMMENT - 0

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。