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変な夢を見た!ので

また例のごとく記事にしていこうと思う!
こんばんは、とむおにです

最近私生活の方で嫌な出来事が頻発していて眠りが浅くなっているのか、よく夢を見ます
今回の夢は特に印象深かったので、覚えている範囲でまとめようかなと思います
例のごとく創作が絡んでますので、興味のない方はブラウザバックを!


また、この光景だ。
そう思いながら、目を覚ました。
暗くて狭い、岩場に掘られた洞穴に、鉄格子。
牢屋。
そう、牢屋だ。
私はここにいる。

陽の光は巨大な木々の葉に遮られ、この辺りは朝でも薄暗い。
私の心そのものだ。
そう、ただ暗いだけで、他のことは特に思わない。
この生活を続けてもう5年になる。
もう絶望することにさえ、意味を感じなくなった。
ここを離れるその時まで、ただ息をしていればいい。
それ以外は必要ないんだと。

私は洞穴の天井に向かって、大声で叫んだ。
これは私の日課だ。
洞穴を突き抜け、天に轟くほどの大声を出す。
誰かに気付いてもらいたいわけじゃない。
これは私が生きている証だ。

私はその辺の小石をつまみ、食べた。
甘い味がした。
木の枝の先から湯水のように湧き出る水を飲み、身体を洗った。
鼻の奥にすんと空気が通った。
身体は外からの刺激にしっかりと反応している、私は生きている。
ただそれだけで、何も感じない。
これをあと24年続けるんだ。

「あああああああああああああああああああ」

私はもう一度、今度は牢屋の外に向かって叫んだ。

強く、強く叫んだ。

嫌だ。

孤独は嫌だ。

寂しいのは嫌だ。

一人は嫌だ。

独りは嫌だ。

助かりたい。

もっと生きたい。

死にながら生きたくない。

それならいっそ、殺してほしい。

死にたい。

生きたい。



誰か、来た。
私は私の目を疑いながらも、牢屋に手をかけ必死にその人影に呼びかけた。
この辺りは廃村になっていて、ここへ続く道も廃道になっており、人などまずいないはず。
人ならざるものかもしれない、最早そんなことはどうでもいい。
私を殺す者でもいい、私を生かす者でもいい、知ったことではない。
私はただ、救われたい。

人影は近づいてきた。
ゆっくりと私の方へ近づいてくるが、その姿形は黒くぼやけたままだ。

「助けて……」

私はその人影の顔があるであろう部分に向かって絞り出すような声で懇願した。
心の底から。

人影はゆっくりと、こちらへ手を差し伸べた。
人影の手は鉄格子をすり抜け、私の手へ触れた。
実体はないように見えるのに、そこには人の温もりがあった。

「おいで」

私はその人影の手を両手でゆっくりと触れながら、首を横に振る。

「行けない、鉄格子が」

私の言葉を無視して、人影は私の手を引いた。
不思議なことに、私の体は鉄格子を通り抜け、いともあっさりと牢屋から抜け出た。

「見せたいものがあるんだ」

人影は私を抱きしめるようにゆっくりと包み込んだ。
刹那、私の身体は水中へ投げ出された。
珊瑚礁や熱帯魚が彩る、色鮮やかな海中だ。
視界は驚くほどはっきりしており、息もできる。
瞬間、私は確信し、そして絶望した。
これは夢なんだ、と。
私は牢屋から出てなんていない。
助けなんて来ていない。
いつかこの夢から覚めて、また同じ場所で目を覚ますんだ。
3年前に訪れた絶望の感覚が、再び私に襲い掛かる。
私はすぐさま水面へ上がり、天へ絶叫した。


目が覚めた。
暗くて狭い、岩場に掘られた洞穴に、鉄格子。
牢屋。
そう、牢屋だ。
私は相変わらずここにいる。

もう、やめてしまおうか。
そう思ったその時、私は木の枝を取って、なんとなく自分の首にあてがってみた。
少し腕に力を入れると、私の首から血が噴き出た。
同時に希望が湧き出た。
何だ、こんなに簡単に終われるじゃないか。
私は満足げな笑みと涙を浮かべながら、腕に力を込めた。
私はゆっくりと落下し、目の前に地面と赤くなった脚が来た。
ほら、意識がある。
どうせこれも、また夢だ。
私は永久にここから出られないんだ。


目が覚めた。
暗くて狭い、岩場に掘られた洞穴に、鉄格子。
牢屋。
そう、牢屋だ。
私はまだまだここにいる。

夢なら早く、早く覚めてくれ。

私はもう一度、眠りについてみた。


目が覚めた。
暗くて狭い、岩場に掘られた洞穴に、鉄格子。



「……!!」

目が覚めると私は、いつも通りの部屋にいた。
机とクローゼット、プラスチックのゴミ箱とデジタル時計が置いてあるだけの殺風景極まりない部屋。
心臓がバクバクと音を立てて鳴っていて、頭がガンガンと痛む。

「……夢、か」

随分とたちの悪い夢を見ていたようで、寝汗もひどい。
喉もカラカラだ。

(取り敢えず水を……)

そう思って立ち上がった時、ふらついて床に倒れ込んだ。

「あっ……」

視界がぐにゃぐにゃと歪む。
私はまだ夢を見ているんだろうか、そう思うと背中に嫌な寒さがまとわりつく。
段々息が荒くなってきて苦しくなってきた。

「ミラ!?」

私を呼ぶ声が聞こえた。
重い頭を必死に上げると、ルーノが心配そうな目でこちらを見ていた。
かと思ったら、ルーノは手に持っていたトレイを机に置き、私の身体を軽々と持ち上げた。

「わっ……」

そのまま、私はベッドへと戻される。
全身のだるさを感じながらも、心臓の鼓動はより一層激しくなっていた。

「風邪をひいているんだ。クロスにも言われただろう、今はゆっくり休んでいてくれ」

そうか、段々思い出してきた。
つい先日、私は珍しく風邪を引いたんだった。
多分ナベリウスで突然スコールに見舞われて、雨に打たれまくったのが原因なんだろうが……。

「す、すまない……水が飲みたくて……」
「ご飯と一緒に持ってきた」

ルーノに差し出された水筒を受け取り、冷水を一気に流し込む。
身体の中に水分がいきわたるのが感じられる。
それほどまでに身体全体が乾いていたのだろう。

「はあ……死ぬかと思った」
「そんなに酷いのか……メディカルセンターへ連絡しようか」
「いや、そういうわけじゃないんだが、ちょっと悪い夢を見て寝覚めが悪かったんだ」
「そうか」

取り敢えずルーノの心配も解消されたように見えたので、持ってきてもらったお粥に手を付ける。

「誰か付き添っていた方がいいか?」

全然解消されてなかったようだ。
全く、どうしてこの男はこう、他人に対して気を使いすぎるのだろうか。
もっと自分のことを考えろと言いたい。

「別にいい。同じ部屋に誰かいたら、風邪がうつるだろ。お前もさっさと出ろ、食べ終わったら食器は持っていくから」
「わかった。ただ、食器は廊下に置いておくだけでいい」

それだけ言うと、ルーノは部屋から出て行った。
本音は、誰かには居てもらいたかったかもしれない。
また同じ夢を見るかもしれないという恐怖感も、誰かいれば紛れるだろう。
だが、風邪をうつしたくないというのもまた本心だ。
どっちを取るかという話なら、後者を取る。

ところが、食べているとルーノが部屋に戻ってきた。
思わず食べる手が止まってしまい、それをルーノが気にかけたのか、また不安げな顔でこちらを見た。

「すまない、邪魔だったか?」
「え、あ、いや……別に……」

よく見ると、いくつか本を持ってきていた。
なんだコイツ、まさか居座る気じゃあるまいな。

「邪魔じゃないが……なんだそれは」
「レイからもらった本だ。本を読むのはいいことだと、クロスも言っていた」
「それをここで読む理由はあるのか」
「食器が空いたらすぐに片付けようと思っただけだ。なるべくなら、病人は動かずに休んでいた方がいい」

全く呆れるほどのお人好しぶりだ。
別にこっちとしては断る理由もないし、取り敢えず承諾はした。
別にいてもらいたいわけじゃない、単純に動かないで済むのならその方がいいと思っただけだ。
食器を下げたらそのままいなくなるだろう。
さっさと食べて出て行ってもらえば、風邪がうつることもあるまい。

「ごちそうさま!」

やや急ぎ気味で残ったおかずをかきこみ、素早く反対を向いて寝る態勢に入る。

「薬は飲まないのか?」

そうだった。
どうやら風邪で頭が回転が大分鈍っているようだ。
薬を飲んで、改めて寝ようと思ったが、食器を下げた後ルーノがまた戻ってきた。
どういうことだ。

「……何してる?」
「さっき倒れてたのを思うと少し心配だ。寝るまで様子を見させてもらえないか」
「は」

断る理由は……ある。
というか何度も言ってるが、お前そんなにこの部屋に長居したら

「風邪がうつるぞ」
「問題ない」

大有りだろ。
何をたわけたことを。

「かえって眠れなくなるか?」
「いや、そんなことはない……けど……」

ああ、しまった。
これでコイツはもう出て行かない。
自分に出来ることがあると知ったら、コイツは何があろうと最後までやり通す男だ。

「眠ったら出て行っていいからな」
「わかった」

こうなったら仕方がない。
さっさと寝るだけだ。
さっさと眠って一刻も早くルーノをここから追い出す。
これに尽きる。
幸いなことに、部屋はとても静かだ。
もし突然苦しくなってもルーノがいるという安心感から、かえってさっきよりも寝付きやすい気がする。
しかし、いくら本を読んでいるとはいえ暇じゃないんだろうか。
せっかくの休日に病人の世話をさせるなんて、悪いことをさせたな。
今度、どこかで埋め合わせでもしよう。
そんなことを色々と考えているうちに、私の意識はいつの間にか飛んでいた。



結局、その後あの無限に続く回廊のようにループする夢は見ることはなかった。
ルーノの馬鹿は私が寝てから目が覚めるまで、ずっと私の部屋で本を読んでいた。
そんな付きっきりの看護生活を私の風邪が治るまでずっとしていたおかげで、風邪はものの二日であっという間に完治した。
そのくせルーノは、風邪とは全く無縁といわんばかりにピンピンしている。
借りを返そうにも、気にしなくていいの一点張りで昼飯に誘うことさえできやしない。
一遍風邪をひいてしまえばいいとさえ思った。

しかし、あの時見た悪夢の中で、一つだけどうしても気になっていることがあった。
あの人影は何者だったのか、あの人影が見せたかった物とはなんなのか。
所詮は夢の中の出来事のはずなのに、気になって仕方がなかった。

風邪が完治してから一週間後のこと、私はルーノにその夢について話してみた。
こういうことは、博学なブラッドや頭のいいレイに聞くべきなのかもしれない。
しかし、そもそもあの二人は私の話などまともに聞きやしないだろう。
ルーノは答えらしき答えは得られないかもしれないが、話は聞いてくれる男だ。
所詮夢の話、誰かに話せばすっきりするだろう、そのくらいの考えでルーノに話をした。

「牢屋……人影……」
「結局、その後は同じ場面をずっとループしててさ……それが、すごく怖かったんだ」
「もしかしたらこのまま、夢から永遠に覚めないんじゃないかと思ってさ」
「水の中……何度も……」
「不思議な夢だな、確かに」
「まあ、所詮は夢なんだけどな」

半分笑いながら、流すように話す。
こうした何気ない会話がルーノと出来るだけでも、この夢を見た甲斐はあったか。
そんな風に思い始めたその時だった。

「それは、本当にミラだったのかな」
「……え?」

ルーノの目は、私を真っ直ぐに見つめていた。
射貫くようなその視線に、私は思わず魅入られたようにルーノにくぎ付けになった。

「その夢の光景をイメージした時、俺の記憶の中に似たような光景があった」
「何度も同じ場所で目覚め、水の中に入れられ、見せたい世界があると言われ、死ぬこともできず、生きることもできず」
「ただ、息をしていた」

ルーノの言葉を聞いたとき、私の瞳からは涙が流れていた。
それを見たルーノは、もうこの話はやめよう、と急いで取り繕うように言った後、すまなかったと一言謝った。
謝るべきは私の方だったのに、私は結局謝ることは出来ず、ただただ泣くことしかできなかった。

彼はこの絶望を既に味わってきた人間で、私はそれを受けたのだ。
この絶望を受けるべき人間として。
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