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決別

虐者「……お?」
ブラッド「あ」
虐者「よお、社会不適合者。 元気か?」
ブラッド「んな挨拶があるかコラ」
虐者「事実だろが」

ブラッド「そういえばねえ、白刃ちゃんがお前のこと探してたぜ。 会いたいってさ」
虐者「まあしばらく会ってないし気持ちは分からんでもないが、あいにくと俺は忙しくてな。 そんな暇はないと伝えておいてくれ」
ブラッド「そういうなよ。 ちょっと会って話してやるだけでもさ」
ブラッド「それにお前忙しいってどうせクエストで暴れるか人つかまえて戦うかしたいだけだろ? そんなのいつでもできるじゃねえか」
虐者「いつでもできるから後でもいいって考えは嫌いなんでな。 俺は夏休みの宿題は先に終わらせて後で遊ぶタイプだったんだ」
ブラッド「なんだよそれ……今多分家にいるから連れてくるよ。 ちょっと待っててくれよ」
虐者「5分でいなくなるからな」
ブラッド「待っててくれよー!」


虐者「……」
ブラッド「おー!! まだいた!!」
虐者「遅いぞ。 10分も経ってる」
ブラッド「ゼハー……ゼハー……」
白刃「はあ……はあ……お久しぶりです……」
虐者「よう、直接会うのは久々だな」
白刃「ブラッドさん、有難うございました。 二人で話したいので、また後で」
ブラッド「お、おうよ……ゼハー……フヒー……」
虐者「……」
白刃「はあー……疲れた。 相変わらず兄さんは兄さんですね」
虐者「なんだそりゃ」
白刃「自分の気持ちに素直だなって」
虐者「自分勝手とも言い換えられるな」
白刃「自由が好きなんでしょ?」
虐者「まあな」
虐者「……で、用件はなんだ」
白刃「久々に会ったんだし、ゆっくりお話でも……と思って」
虐者「ついさっき言ったばかりなんだがな……俺は忙しい。 そんなにゆっくりしてる暇はないんだ」
白刃「ルーノさんやミラさんを超えるための修行ですか?」
虐者「バカ。 ルーノはともかくあの女には負けてないわ。 引き分けだ引き分け」
白刃「ふふ……」
虐者「……?」
虐者「お前少し雰囲気が変わったな」
白刃「そうですか?」
虐者「……」
白刃「……」
虐者「……いいだろう、少し話そうか。 場所を変えよう」
白刃「ここでいいです」
虐者「……」
白刃「兄さん、ここは楽しいですか?」
虐者「……まあな」
白刃「グラールの時もそうでしたけど、どうして一人で行こうとするんですか?」
虐者「その方が色々と動きやすいだろう」
白刃「私たちは邪魔ってことですか?」
虐者「そうは言ってない。 誰もついてくるななんて言ってなかっただろう。 お前らがついてこなかっただけのことだ」
虐者「それにどんな危険があるかもわからん場所に、俺から誘うわけにもいかんだろうが」
白刃「じゃあグラールの時も今も、連絡も取らずに一人で動いてたのはどうしてですか?」
虐者「色々と忙しかったんだよ……」
白刃「仲間が来て、一緒に帰ろうってなった時も一人で残りましたよね? 今だって私たちがこっちにいるのに、わざわざ避けるように行動してますよね? どうしてですか?」
虐者「バカが勘違いしやがって。 誰が避けるように行動なんぞするか。 会う暇がないだけだ。 避けるように行動するならこうしてお前と話したりなんかするか」
白刃「……本当は一人でいたいんじゃないですか? 一人の方が居心地がいいんじゃないですか?」
虐者「まあ誰にでもそういう時はあるだろう。 特にお前らと居るとうるさいのなんので落ち着く暇もありゃしないからな」
虐者「一人旅にも出たくなってもおかしくはない」
虐者「だがな、俺はお前らと一緒にいたくないから旅に出てるわけじゃない。 ただ飽きてるんだよ、地球という場所に」
白刃「……そうですか」
白刃「私たちがいても、地球はつまらなかったですか……?」
虐者「ああ、お前らとバカ騒ぎする毎日も悪くはなかったが……俺が求めていたのはそんな日々じゃなかった」
虐者「答えがグラールやこの世界にあった。 だから俺はここにいる」
白刃「……」
虐者「別にお前たちが必要ないというわけじゃないが……まあ」
白刃「兄さん」
虐者「ん?」

白刃「私、好きな人が出来たんです」

虐者「…………」
白刃「兄さんはいつも言ってましたよね。 どう生きるのもその人の自由だって」
白刃「……私は、私には兄さんしかいなくて、兄さんに尽くすことでしか自分の価値を感じられなかった。 それしか私の生きがいはないと思ってました」
白刃「でも兄さんと同じで、私もここで答えを見つけました。 私を必要としてくれているのは、兄さんだけじゃなく他にもいる」
白刃「私には選ぶ権利があって、どっちを選ぶかは私の自由なんだって」
虐者「……」
白刃「実はつい最近までずーっと悩んでたんですけどね……でも、やっと答えが見つかったんです」
虐者「……そうか」
虐者「好きにしろ。 俺がどうこう言うことじゃない」
虐者「お前は正しい、お前の生きる道はお前自身が決めるものだ」
虐者「たとえそれが明るい未来だろうと後悔する未来だろうと、受け止める覚悟があるのならな」
虐者「そこまで含めて”自由”であることを忘れるなよ。 選ぶという行為には常にリスクが付きまとうんだ」
白刃「はい」
虐者「……」
白刃「それじゃあ、また」
虐者「……地球に帰るときに声をかける必要はなさそうだな?」
白刃「はい。 私はここで頑張ってみます」
白刃「兄さんと同じで……好きなときに頑張って好きなときに帰りますね」
白刃「では」
虐者「……」

虐者「……」
虐者「巣立つ小鳥を見る親鳥の気持ちだな……」
虐者(しかし不思議なもんだ。 あれだけ俺にベッタリくっついてた白刃に、俺以外の好きな人間が出来るとはな……)
虐者(…………まさかとは思うが……)


白刃「……あれ?」
ミラ「……」
白刃「……」
ミラ「……」
白刃「……ミラさん、何やってるんですか?」
ミラ「……」
白刃「……えい」
ミラ「……」
白刃(震えてる)
白刃「わーっ!」
ミラ「わひゃあああああああ!?」
ミラ「な、し、白刃さんだったのか……」
白刃「あんまり反応がなかったもので」
ミラ「くすぐったり胸触ったり、そんな下らないことをやるのはレイくらいだと思ったから無視してたんだ」
白刃「わしづかみはかなり効いたようですね」
ミラ「二度とやらないでくれ」
白刃「まあ掴むのにも一苦労って感じでしたし、やりませんよ」
ミラ「うるさい!!」
白刃「嘘ですよお」
ブラッド「お、白刃ちゃんおかえり。 虐者と話してきた?」
白刃「あ、ブラッドさん。 おかげさまで」
ブラッド「ちゃーんとニーサン成分補給できた?」
白刃「まあそれとなく!」
ブラッド「はーそりゃよかった。 ついでに俺ともお話しない?」
白刃「どんなお話ですか?」
ブラッド「そりゃ[検閲]とか[検閲]についてとか……」
ミラ「お前人か?」
白刃「最低ですね……」
白刃「ところでミラさんはさっき何やってたんですか?」
ミラ「え?」
白刃「座禅なんか組んで……」
ミラ「あ、あれは……」
ミラ「……なんか無の世界に行きたいなと……」
ブラッド(?????)
白刃(何言ってるんだろうこの人……)
白刃「……!」
白刃「ルーノさんのこと考えないようにしてたんですね」
ミラ「……」
ブラッド「そういえばミラちゃんだけじゃなくてレイちゃんも最近ルーノ君と話さないよねえ。 なんかあったの?」
白刃「実はかくかくしかじかで……」

ブラッド「あっははははバッカだなあ君たち。 白刃ちゃん相手に独占させちゃあそらもうどんな男もイチコロよ」
ブラッド「まあでも白刃ちゃんは虐者のことがもう死ぬほど好きだから、そんなこたしないと思うから安心しな!」
白刃「……さあ、どうでしょうね?」
ブラッド「え? 何、おふざけで落としてからかう算段?!」
ミラ「私は白刃さんならやりかねないと思ってる……というか自然と出来てしまうというか……」
ブラッド「ウームムム……確かに」
白刃「で、ルーノさんをもう取られると思ったから忘れようと?」
ミラ「……諦めたくはないが、正直白刃さんが相手ではとても太刀打ちできない……」
白刃「バカですね。 そんなことで諦めるなら最初から止めておけばいいじゃないですか」
ミラ「……」
白刃「ミラさんの気持ちってその程度なんですか?」
ブラッド「白刃ちゃんの言う通りだぞ、ミラちゃんらしくもない」
ブラッド「ミラちゃんはもっと最初の頃みたいにドヤ顔で”私に敵うヤツなどいない”って上から目線でなきゃ!」
ミラ「やめろその話は! ぶっ〇すぞ!」
ブラッド「ヒー!!」

ブラッド「はーやれやれ……しかしまあ、困ったもんだねえ。 普段は男にも負けないくらいガンガン前に出る子なのにどうして恋愛となるとああなんだか」
白刃「そのいつも通りが通用しないからじゃないですか」
ブラッド「なるほどなあ」
ブラッド「白刃ちゃんが真面目にルーノ君と付き合うわけないのにねえ」
白刃「……どうしてですか?」
ブラッド「へ? だって……」
白刃「誰の傍にいるかは、私が選びますよ」
白刃「愛している人にだけ愛してるって言いたいですから」
ブラッド「……」
白刃「ブラッドさんも、そろそろちゃんと考えた方がいいですよ?」
ブラッド「……」
ブラッド「……こりゃあ大事件だ」




クロス「……」
レイ「……」
クロス「……」
レイ「……つまんなーい」
クロス「知るか」
レイ「つーまーんーなーい!」
クロス「ルーノのところに行ってくればいいだろ」
レイ「アタシは今ワケあってルーノとは話せないんだよ」
クロス「ほーう」
レイ「だからつまんないの。 なんか面白いこと言えよお前」
クロス「やなこったお前の人生つまらないまま終わっちまえ」
レイ「クソが……」
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