薄めよう

レイ「ほい」
ルーノ「?」
レイ「ちょっと飲んでみ?」
ルーノ「やだよ」
レイ「なんで!!!」
ルーノ「どうせまたろくでもないものなんだろ?」
クロス(最近ルーノもレイの扱いに慣れてきたようだな)

レイ「あーあ……ルーノ行っちゃったよ」
クロス「今度は何をやらかすつもりだ」
レイ「変なのじゃねーよ、カルピスだよカルピス」
クロス「ほーん」
レイ「知ってる?」
クロス「そりゃ知ってるが」
クロス「お前のことだからどうせただのカルピスじゃないんだろ」
レイ「……これはただのカルピスだよ」
クロス「どうだか」
レイ「ほんとだって!!」
クロス「いずれにせよ、”これは”ってことは何かしらは企んでるんだろ」
レイ「企んでるって程でもねーけど……お前さ、カルピス作るときって水で薄めて作るじゃん」
クロス「ああ」
レイ「……なんで水で薄めると思う?」
クロス「なんでもクソもそういう飲み物だろうが……」
レイ「アタシは思った」
クロス「思わなくていい」
レイ「果たしてカルピスは本当に水で薄めなければいけない飲み物なのか、否! 疑問を持つべきだ!」
クロス「持たなくていい!」
レイ「コイツにはもっとふさわしい飲み物があるはず! 人類は考えるべきだ!」
クロス「考えなくていい!!」

レイ「ということでここにたくさんの飲み物を用意しました」
レイ「水!」
レイ「お茶!」
レイ「コーヒー!」
レイ「ビール!」
レイ「炭酸水!」
レイ「オレンジジュース!」
レイ「スピリタス!」
クロス「……」
レイ「ぶっちゃけどれが一番カルピスと合うか……気になるだろ」
クロス「水」
レイ「……お前覚悟しとけよ、絶対新天地見せてやるからな」

レイ「まずは水」
クロス「ノーマルにして最後のまともな飲み物か……」
レイ「お前も飲めよ?」
クロス「まあノーマルは飲む。 それ以外はお前の反応次第だな」
レイ「きたねえぞ!」
クロス「うるさい」
レイ「はい」
レイ「さてと試飲!」
クロス「……うん」
レイ「やっぱうめえわ……」
クロス「ここでやめとけばいいものを」
レイ「そうは問屋が卸さねえよ。 新天地の開拓は人類の義務」
クロス「あ、そう」
レイ「反応悪い!!!」

レイ「次はお茶! 今回は緑茶を使う」
クロス「もうアウトだろ」
レイ「ふふん、そう思うだろ? ところがどっこいいただきます!」
レイ「……」
クロス「……」
レイ「あ」
クロス「?」
レイ「お茶じゃなくなった……」
クロス「当たり前だろ」
レイ「なんだろうこの飲んだことあるような、たとえようのないようななんとも言えない味……」
クロス「不味くないのか?」
レイ「まずい……いや、まずくはないというか……あ! わかった! 紅茶っていうか、フルーツティーっていうか、アップルティーっていうか、そんな味!」
クロス「……ああ、なるほど。 考えてみればわからんでもない」
レイ「飲んでみ?」
クロス「どれ……ああ、確かに近いな」
レイ「割とありでしょ、新天地でしょこれ」
クロス「まあそうだな、これは美味い」
レイ「よっしゃあこの調子でどんどん行くぜエ!!!」
クロス(ここでやめておこうという発想には絶対に至らないんだな)

レイ「コーヒーとカルピスもさー、お茶とカルピスみたいな関係性じゃん。 苦味と甘味。 だからおんなじ感じになるんじゃないかなあーと思ってるんだけど」
クロス「苦味の度合は結構違うと思うがな」
レイ「まあそこはやってみてから考えまっしょい、お楽しみにィ!」
レイ「いただきまーす」
レイ「……」
クロス「……?」
レイ「……ごぽぇ」
クロス「うわきったねえ!!」
レイ「こりゃねーわ」
クロス「いいからさっさと拭け床をーーー!!!」

レイ「ちょっと飲んでみ……?」
クロス「絶対嫌だ」
レイ「苦味と酸味と甘味が程よく合わさってさ、軽いゲロみたいな感じ」
クロス「一々説明せんでいい!」
レイ「次はビィールゥー……お酒は二十歳になってから!」
クロス「お前今歳……」
レイ「シーだよ! See!!」
レイ「ちなみにビールはアタシ全く飲めねえから、場合によってはこれもクロスに飲んでもらうから」
クロス「”も”ってなんだよ!!」
レイ「もちろんさっきの残ったゲロカルピスも飲んでもらうに決まってるじゃん。 食べ物飲み物は粗末にしちゃいけません!」
クロス「お前だ!!!」

レイ「あいそれではレッツゴゥ!!!」
クロス「……」
レイ「……ありゃ」
クロス「……」
レイ「……ふひひへ、美味しい!」
レイ「あれちょっと待って、結構美味いぜこれ」
レイ「飲んでみ? マジで美味しいよ」
クロス「どれ」
クロス「……ンー」
レイ「微妙?」
クロス「チューハイ感」
レイ「そうそれ」
クロス「酒は嫌いじゃないが別に好きでもないから何ともな……」
レイ「チューハイ美味しいじゃん……」

レイ「次炭酸水!」
クロス「これで新天地が開けるとは思わないけどな」
レイ「あんで?」
クロス「絶対ただのカルピスソーダだろ……」
レイ「あー、確かに」
クロス「お前顏赤いぞ」
レイ「ちょっと酔っぱらっちゃった。 けど問題なし! マイル!」
レイ「果たして炭酸水はどう出るか……」
レイ「……」
レイ「……カルピスソーダ!」
クロス「だろ」

レイ「オレンジジュースとカルピスは割とどうなるか予想つかねえなあ、どっちも同じような味じゃん」
クロス「薄める……とは言わない気がするな。 酒で酒を割るのと同じ気がする」
レイ「割れてないやつね」
レイ「でもジュースだからね……味の複合でひょっとしたらミラクルが起こる可能性は無きにしも非ず」
レイ「GO!」
レイ「……」
クロス「……」
レイ「……あー」
クロス「なんだその顔は……」
レイ「飲んでみる?」
クロス「……」
クロス「あ、美味い」
レイ「お前ならそう言うと思った」
クロス「甘すぎるってか」
レイ「そうそうそうそう」
レイ「すげえ……なんか……寿命を縮めてそうな味」
クロス「凄まじいな」

レイ「最後はコレ、究極のアルコール飲料でおなじみスピリタァス! いったい誰が、この世の誰がスピリタスでカルピスを作ろうなどと考えようか……この発想の違い、最早アタシは天才以外の何物でもない」
クロス「まあナントカと天才は紙一重っていうしな」
レイ「うっせバーカ!」
レイ「さーてラスト……スピリタスカルピスはいかがなものか!」
クロス「頼むから救急車の世話にだけはならんでくれよ……」
レイ「いやいやいや流石にそこまでのレベルではないっしょ。 いっただっきまーす!」
レイ「っっっブエッ!?!?」
クロス「おわ!?」
レイ「ブヘアッ!!? ぶあっ!? うああ! うわっ!! ウワッ!!! うあああ!! うああああああああああああああああああああ!!!!! うわあああああああ!!!! ああああああああああああ!!」






レイ「……ッハア……はあ……はあ……」
クロス「……」
レイ「のど焼けた……」
クロス「これに懲りたらもうアホな企みはやめるんだな」
レイ「でもお茶カルピスとビールカルピスとジュースカルピスはよかったしょ」
レイ「こういう発明があるから止められねえのさ……チャレンジってやつはよ!」
クロス(適当に〆やがって)



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